家づくり情報

珪藻土

    2018-10-26
    珪藻土とは? メリット・デメリットや 漆喰との違いなど

    珪藻土の3つのメリット

    珪藻土は大きく分けると「調湿」「脱臭」「耐火」の3つのメリットをもちます。

    調湿性

    珪藻土の最大の特長は、高い調湿性です。調湿とは部屋の湿度状況によって、湿気を吸収したり放出したりしてくれる現象のこと。これらを可能にしているのは珪藻土に空いている無数の小さな穴。これらが湿気を自動で吸ったり出したりします。直径は2~50ナノメートル(ナノメートル=10億分の1メートル)で、穴の数は木炭の5000~6000倍といわれています。

    人間にとって快適な湿度40~60%を自動で保つ「呼吸する壁」ともいわれています。調湿は70g/㎡以上の製品が多く、比較される漆喰にはここまでの調湿性能がないものが多いです。

    脱臭性

    2つめの特長は臭いを吸収する点です。そもそも臭いの正体は化学物質の分子で、それが鼻の嗅覚細胞にぶつかることで臭いを感じます。臭い分子は空気中の水分子(=湿気)に溶けるので、結果として湿気を吸収すれば臭いも消えます。 逆に湿気を出すときには臭いも放出される心配もわきますが、放出速度が極めて遅いため人間には臭いません。中には5年経っても猫の臭いが気にならない、という声も挙がっています。

    耐火性

    珪藻土の融点は約1,250℃と七輪コンロや断熱レンガとして利用されてきたくらい火に強いです。


    珪藻土とは?

    珪藻土は「珪藻」というプランクトンが化石となり、堆積したものを指します。

    どのようにして珪藻土ができるのか

    珪藻土の成分である珪藻は、淡水から海水まで幅広く生息する藻類の一種です。細かい穴を持つ大小2つの殻からできていて、穴の中には細胞がきれいに整列されて並んでいます。珪藻が海や湖沼などで大量に増殖し死滅すると、その死骸は水底に沈殿します。死骸の中の有機物の部分は徐々に分解されていき、最終的には二酸化ケイ素を主成分とする殻のみが残されます。このようにしてできた珪藻の化石からなる岩石が珪藻土となります。


    漆喰との違い

    日本古来の建築塗り壁材として用いられてきた珪藻土と漆喰。その違いは何でしょうか。

    吸放出性が違う

    珪藻土も漆喰も、非常に優れた日本古来の建築塗り壁材ですが、特筆した違いはその吸放湿性にあります。多孔質性を売りにしている珪藻土は、調湿性能や脱臭性能が非常に優れております。漆喰も調湿機能はありますが、漆喰の原料となる消石灰自体は、珪藻土と比べると吸放湿機能という点では若干劣ります。

    風合いのよさ

    また、もう一つの珪藻土の魅力は和モダン建築に合う風合いの良さです。少しツヤがありサラっとした風合いになる漆喰と比べ、珪藻土の仕上げはマットでざらっとした落ち着いた風合いになります。


    カビの危険性はあるのか

    吸放湿性に優れた珪藻土ではありますが、インターネットなどで検索すると「珪藻土もカビます!」といった説も散見されます。 これはどういうことでしょうか?

    珪藻土は吸放湿性がきわめて高い壁材なので適切な環境と使い方なら、カビは生えにくいのは確かです。 ですが、どんな素材であれ一定の環境条件が揃えばカビはどこにでも生えてしまいます。自然素材だからといって、カビを完璧に撃退する事は出来ないのです。

    珪藻土が秀でているのが「吸放湿性」。湿気を吸うだけでなく、吐き出すことができるのが最大の特長です。 だからといって、吸ってしまった湿気を限界いっぱいまで溜め込み、吐き出すことなくいつまでも抱え続けていれば湿気が空気中に溢れて湿度を上げ続け、そこに汚れが付着すればカビてしまうのは道理です。

    つまり、きちんと吸った湿気を吐き出させてあげられればカビの発生を限りなく抑えることができるのです。換気を定期的におこない、風通しを良くして吸った湿気を放出することで、カビを最大限に抑えることができるでしょう。 調湿性能の高い珪藻土だから何ひとつケアをしなくていいのではなく、ほんの少しの手間で、その能力を最大限に発揮させることができるのです。


    当たるとぼろぼろにならないか?

    珪藻土を採用するにあたって、壁がボロボロするとか、触ると白くなるといったことを懸念されている方もいらっしゃるかと思います。

    もともと珪藻土が塗り壁材の用途して使われる量は、ほんのわずかです。調湿性や、吸水性に優れているという特徴もあって、水を加えて練っても、珪藻土単体では、壁に塗れるような「ねばり」は出てきません。 そこで、「つなぎ」として、自然素材または合成樹脂が使用されます。

    このつなぎ材の選定により、ボロボロすることや触ると白くなることを抑えることが可能です。

    また、調湿性能もつなぎ材によって変わってきます。合成樹脂をつなぎ材として多く使うと珪藻土の無数の穴をふさいでしまい、調湿・消臭効果が薄れてしまいます。そのため、穴をふさがない自然素材をつなぎ材に使用することがオススメです。珪藻土の含有率が50%以下になると漆喰よりも調湿性能が劣るといわれているため、珪藻土の含有率の高いものを選定することも大事です。


    「ビニルクロス」について考えてみよう

    ご紹介した珪藻土という自然素材に対し、新たに生み出された技術や加工方法によって開発された建築材料のことを「新建材」といいます。新建材は現在多くの住宅や賃貸などで使用されており、施工やコストのパフォーマンスに優れた素材です。壁材として使用される「ビニルクロス」もその一つ。ポリ塩化ビニールを主な原料にした壁紙のことで、「ビニール+クロス(壁紙)」から、「ビニルクロス」と呼ばれています。さまざまな模様、柄のプリントやエンボス加工と呼ばれる方法で凸凹の装飾をつけることなどが簡単であるため、色、柄、テクスチャーなど非常に多くのバリエーションを生み出すことができることが特長です。

    安価なので建売や賃貸住宅では当たり前に使われる建材。でも…

    ビニルクロスはコストが安く、施工が簡単なため、非常に大きな普及率を誇っています。日本では壁紙のおよそ95%のシェアを占めるとも言われています。しかし、発がん性物質やホルムアルデヒド、環境ホルモンなど、さまざまな健康被害を引き起こす物質を含んでいることがあるほか、化学接着剤を使用して施工するので、揮発性の化学物質にも注意が必要な素材です。

    燃えると有毒ガスが発生

    また、ビニルクロスは燃えるとダイオキシンなどの有毒ガスを発するなど、住まいの空気を考える上で非常に多くの懸念を抱えているといえます。

    本当の「いい家づくり」のために

    これらの懸念事項から、亀山建築ではビニルクロスの使用はお勧めしておりません。安価であるからと目先のコストや効率ばかりにとらわれず、「永く健やかに過ごせる住まい」のために本当に必要な素材をご提案したいと考え、今回の珪藻土をはじめ、人にも環境にも優しい「自然素材の家づくり」を行っています。

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